日本郵船と物流ソリューション(お客様の要望や要求を満たすサービスの提供など)や研究開発などを行う子会社の株式会社MTIは、日本無線と気象庁の地球環境・海洋部との共同で、船舶による波浪スペクトル(複数の波が重なりあった不規則な形の海上波を周波数=周期に相当と進行方向別に表したもの)の観測データを活用した装置の共同研究を開始しました。

 

日本郵船とMTIは2010年から日本無線と共同で、船舶用レーダーによる波浪スペクトル観測装置の研究開発を進めていました。

そして、気象庁は、日本沿岸と全世界を対象とした波浪モデルを用いて、波浪の実況解析と予測を行っています。

この結果と波浪スペクトル観測装置で集めたデータを比較・検証し、波浪予測の精度を向上させていくことが共同研究の狙いです。

 

波浪観測用レーダーは現在でも沿岸に設置されていますが、信号解析装置を一般の船舶に搭載してデータを集めることで、コストを抑えつつ広い範囲の波浪状況を把握することができるそうです。

精度の高い波浪予測を実現することで、より安全で省エネルギーの運航ルート選定が可能となります。

 

以前、繊維関係の会社に勤めていた友人が、商品を送るのに「船便は航空便に比べて安いけど、海の状態で遅れが生じる事が度々あるので、日程が安定せず余裕をもって送れるものにしか使えない」と嘆いていました。

この研究・開発が進めば、友人の企業のような不満も解消されて、確実な安全ルートが確保されて便利になって利用価値がどんどん上がりますね。