日立製作所は、物流倉庫などで商品を棚ごと搬送する無人搬送車が、自律走行することが可能になる技術を開発したと発表しました。

 

新技術の特徴は、従来のガイドを床面に敷設してマーカーを使用する方式とは異なり、以下のような特徴を備えています。

  • 搬送による商品棚の移動を検知
  • 無人搬送車に登録された商品棚の配置図をリアルタイムに更新
  • 自車の位置を認識して、自律走行をすることが可能

 

まず、マーカーが不要になることにより、敷設・保守コストを削減できるだけでなく、走行経路や設備レイアウトなど設計の自由度を高めることが期待されています

 

さらに、無人搬送車に事前に登録する配置図を、倉庫の壁や柱などの「動かない領域」と、商品棚などの「動く領域」に分けて細かく管理します。

そのため、距離センサーで計測した柱や商品棚の位置情報を照合しているので、自車の位置を認識した後、「動く領域」にある商品棚の配置のみを更新するという画期的な仕組みが確立できるということです。

そして、配置図の更新対象を「動く領域」のみに限定したことにより、配置図を更新する時間の短縮にもつながり効率がよくなっています。

 

新技術により、無人搬送車は、商品棚の配置が移り変わる中で、その変化をリアルタイムに配置図に反映し、自車の位置を認識し続けることができるという仕組みです。

 

限られたスペースである、物流倉庫の中で、空きスペースをなるべく作らないようにして、効率よく、配置するためのさまざまな工夫が常に考えられ、その技術は日々進歩しているのだなということをまた改めて再認識させられますね。